個人的神ゲー紹介の第7弾になります。
今回紹介するのは2008年に「あかべぇそふとつぅ」より発売された「G線上の魔王」です。2008年の美少女ゲームアワードの大賞を受賞した作品で、第6弾に続き今回もエロゲーの紹介になります。
「またエロゲーかよ!!」という声も聞こえてきそうですが、このゲームは紹介しなければなりません。なぜなら、このゲームは私を人生で一番泣かせてくれたゲームだからです。
今までの人生の中で辛かったことも多くありましたが、自分はあまり泣いたりすることはありません。しかし、このゲームのエンディングでは初めて「涙で画面が見えない」という現象を体験するほど号泣してしまいました。間違いなく今まで28年間生きてきた中で一番泣いたのはこのゲームをプレイしているときでした。
それくらい記憶に残った作品ですので、今回紹介します。
個人的点数:シナリオ85点 BGM95点 泣き100点、総合90点
※以下多少のネタバレあり
ストーリー
「平凡な学生生活を送りながらも裏家業を手伝う主人公の浅井京介だが、日常を脅かす事件が連続して勃発する。
その首謀者は「魔王」と名乗っているらしいが、その魔王を追っている「宇佐美ハル」が京介の元に訪れる。
宇佐美ハルは京介の忌まわしき少年時代に共に戦ってくれた勇者であった。10年ぶりの再会・・・いま命を懸けた純愛ドラマの幕が上がる」
というのがストーリーですが、一部公式サイトを意訳して紹介しました。
魔王を名乗る謎の人物と、その魔王を追う宇佐美ハル、そして魔王が起こす事件によって多くの影響を受け、選択を迫られる主人公といった物語です。
G線上の魔王の魅力① シナリオ
まず、このゲームの魅力として紹介するのはシナリオになります。
前述したとおり、物凄く泣けるラストシーンがあるのですが、そこに行くまでもかなり面白いです。特に宇佐美ハルと魔王の心理戦がとにかく面白い。
天才と天才がお互いの知略を尽くして戦う描写は手に汗を握る緊張感がありますし、どのように進むのか先が気になってしまい、自然と夢中になってしまう話づくりには脱帽の一言です。
他作品で例えると「DEATH NOTE」のキラとLの戦いのような頭脳戦が繰り広げられます。
また、各章ごとに起承転結がしっかりと構成されており、シリアスな場面からコメディな場面まですべてのシーンが面白いです。
さらに、ノベルゲームというのを生かして叙述トリックまで仕込んできたりするので、小説のような楽しさも味わうことができます。(前作の車輪の国も叙述トリックには驚かされました)
G線上の魔王の魅力② BGMのこだわり
2つ目の魅力はBGMです。このゲームのBGMはほとんどの曲がクラシックの曲を元に作られています。ゲームタイトルも「G線上の魔王」となっていますが、これもJ.S.バッハの「G線上のアリア」とシューベルトの「魔王」から名付けられています。
作中でも主人公の趣味はクラシック曲を聴くことであったり、宇佐美ハルは元ヴァイオリニストであったりと、クラシック曲はとても重要な要素になります。
様々なクラシック曲がそのシーンに合うようにアレンジされており、クラシック曲を知らない人でも楽しめるようになっています。
私もこのゲームをプレイした時はクラシック曲に詳しくはなかったのですが、このゲームを通していろいろな曲を知りました。特にタイトルにもなっている「G線上のアリア」と「魔王」や、「ワルキューレの騎行」などはこのゲームを通して好きになりました。
また、クラシック曲以外のBGMもとてもいいです。
特にオープニング曲の「Answer」と挿入歌の「Close your eyes」の2曲は最高です。
「Close your eyes」は流れ出すタイミングと曲調とシーンとの相性が完璧すぎて、この曲が流れてからは涙が止まりませんでした。プレイしてから10年ほどたちますが、今でもこの曲を聴くと涙が出そうになります。
G線上の魔王の魅力③ キャラクターの良さ
3つ目の魅力はキャラクターの良さです。どのキャラクターも個性が強いですが、とてもキャラが立っており、作中を通してぶれることがありません。よくこれだけのキャラクターを動かせるなと、シナリオライターを尊敬してしまいます。
学園ではアホの子だが裏ビジネスを担当しているときには冷徹になる京介、魔王と宇佐美ハルの天才性の表現、浅井権三の暴力性と効率性、相沢栄一の小物感など、設定とキャラがストーリーにも生きてきます。
特に好きなキャラとシーンについて、以下に簡単に記述します。
※(若干ネタバレあり)
魔王
声優がルルーシュと同じ人。イメージ通り過ぎて笑う。ルルーシュやキラより徹底している天才。
浅井権三
暴力団の組長で、主人公の養父。彼の暴力性の表現は衝撃的でした。
ドラマCDの話になりますが、とある警察官に暴力団と関係があることを見抜かれたとき、その警察官に対して弁明や隠蔽等を行うのが普通の対応でしょうが、「お前が上に報告しないと俺を安心させるために、いくら払ってくれるか?」と逆に脅しをかける精神には驚きました。
普通は秘密を握ったほうが有利だと思いますが、秘密を知ってしまったなら対価を払えというのは暴力を握っているからできることなんでしょうね。
そんな彼が本編のラストシーンで見せる意外な一面には注目です。
相沢栄一
京介のクラスメイト
普段はアホの子でちょい悪な感じの小物間たっぷりのキャラなんですが、最後の手紙は泣いた。
ドラマCDで執筆時の状況が流れた時はさらに泣きました。
浅井花音
京介の義理の妹。フィギュアスケーター。
ワルキューレの騎行が流れながら演技をしている描写はマジでかっこよかった。普段はアホの子だが、演技になると別人になる。
「私にはこれしかないから」と言い出した時のカリスマというか諦観している感じが印象に残るキャラでした。
まとめ
一番面白いところを書こうとするとすべてネタバレになるため、紹介するのが難しい作品でしたが、自信をもってお勧めできるゲームです。頭脳戦が好きな人や、今まで見たことがないようなゲームを探している方はぜひ手に取っていただきたいと思います。
人生で一番泣いたゲームと冒頭で述べましたが、G線上の魔王をプレイしてから10年ほど経った今でもこのゲームほど泣いた出来事はありませんでした。それほどに泣いてしまうほどのラストシーンを是非ご覧いただきたいものです。
そして、もしこの記事を見てプレイした方がいらっしゃいましたら、コメント欄に記載をお願いします。全力で返信いたします。(笑)