個人的神ゲー紹介

車輪の国 向日葵の少女 レビュー

こんにちは!!
今まで300本以上のゲームをプレイしてきたメタキノと申します。

今回は、2005年に「あかべぇそふとつぅ」より発売された「 車輪の国 向日葵の少女 」
を紹介します。

アダルトゲームになりますが、他のゲームや小説では見ることのできない唯一無二の世界
観が楽しめるノベルゲームになっています。

自分の弱さを乗り越えようと、くじけそうになっても諦めずに立ち向かう少女達の強い意志が輝く作品となっており、一番の輝きを放つ瞬間は思わず号泣してしまいます。

映画ではできないような細かい描写を文章で行い、小説ではできないBGMや音声
を効果的に使うことで、ノベルゲームの良さを最大限に生かした名作です。

私が人生で一番号泣した作品、「G線上の魔王」と同じシナリオライターさんの作品です。

個人的点数:89点

今までプレイした200以上のゲームを点数付けし、簡単に紹介した記事もあります。
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あらすじ

罪を犯した人には特別な罰が課される世界で、罪人を管理する特別高等人を目指す主人公
が、最終試験の地で3人の少女の更生を指示される。
少女たちの更生を行っていくが、最終試験として選ばれただけあり、数多くの試練が主
人公に訪れる。

「 車輪の国 」の魅力① 他のゲームにない世界観

車輪の国の世界では、罪を犯した人には懲役や罰金ではなく、再犯を防止するための特別
な義務が課されます。
例えば、以下のような義務が課された少女が登場します。

・異性との恋愛が禁止される義務(異性との接触禁止)

・1日が12時間になる義務(特別な薬を使用して身体停止)

・大人になれない義務(行動すべてに親の許可がいる)

なぜこのような義務が課されるかというと、義務を負った人がしっかりと更生できるよう
にするためです。

上記の「1日が12時間になる義務」というのは、ギャンブル好きや労働を行わないような
怠惰な人に課されることが多いです。
一日の時間が短くなるのが嫌なら、更生して勤勉に生きなければならないという仕組みになります。

私達が生きる現実世界では、罪を犯せば罰金または懲役による労働等が課されますが、そ
れで罪を犯した人が更生するかといえば、必ず更生するわけではありません。
「車輪の国」の世界では、罪を犯した人に対する適切な義務が課されるため、構成しなければ義務は解消されません。

人権や管理の難しさを除けば、このような制度にしたほうが良い社会になるかもしれませ
ん。

主人公は義務を負った人間を管理する「特別高等人」として、義務を負った少女達を更生させるために奮闘していきます。

現実の社会とは微妙に違う価値観の中で繰り広げられるストーリーは、他のゲームや小説で味わえない唯一無二のものとなっています。

 車輪の国 の魅力③ キャラクター達の精神描写

本作品で登場する義務を負った少女たちは、全員暴行などを行って義務を課された訳では
なく、精神的な未熟さから義務を課されています。

彼女達の義務を解消するには、精神的に更生させるしかないため、主人公もあの手この手を使って更生させようと試みます。

その過程で描かれる少女達の精神的な幼さや未熟さは、見ていて辛くなるくらいにリアル
に描写されています。

例えば、つい責任転嫁をしてしまったり、選択を他人に依存したり、目を合わせずに避けたりと、日常でやってしまう心の弱さが細かく描写されます。

心の弱さから取る行動は、精神的に強くならないと改善できませんが、他人から指摘されると、つい反発したくなるものです。

なかなかうまくいかないが、少しずつ改善しようと奮闘する少女達の気持ちを細かく表現することで、少女達の精神的に成長していく過程が描かれ、キャラクター達の心情を深く理解することができます。

・車輪の国の魅力④ 義務と向かい合う姿勢

義務を負った少女たちには、それぞれ義務を解消して良いか判断する試験が課されます。

少女たちに課される試練は、義務を負った原因を克服し、更生しているかを確認
するためのものであるため、人の弱さをむき出しにするような内容になっています。

少女たちは試練を乗り越えようと奮闘しますが、精神的な未熟さが仇となり、試験の最中でも怠けたり、人に頼ったり、投げ出してしまうこともあります。

それでも少女たちは自分が負った義務と向き合い、何度挫けようとも最後には心の弱さを乗り越え、試験を突破します。

自分の弱さを乗り越えた症状たちが見せる芯の強さは、満開の向日葵のような輝きを放ちます。

・車輪の国の魅力⑤ 法月将臣という男

法月将臣(ほうづきまさおみ)とは、主人公が特別高等人になるための最終試験を担当する試験管であり、育ての師です。(通称「とっつぁん」)
若本規夫ボイスで繰り出される正論の刃は、聞く者の心を抉ります。

最後まで敵ではなく壁として立ちはだかる姿が非常にかっこいいです。
序盤は理不尽の塊のような試験管のように感じるが、話を進めていくにつれて超えるべき壁と感じ、最後までプレイすると彼の行動の意図を理解できるようになるという、非常にカッコいい漢です。

ファンディスクの「悠久の少年少女」をプレイすれば、さらにこの漢が好きになるのは間
違いない。

まとめ

車輪の国はとてもしっかりしたシナリオがあるため、小説として読んでも面白い作品です。それに加えてBGMや音声、立ち絵があるのがノベルゲームの良いところですね。

小説のような細かい描写、アニメのようなBGMや音声を効果的に使うことで、ノベルゲームの良さを最大限に生かした名作です。

今まで触れたことのない価値観が表現される作品をお探しの方は、このゲームをプレイし
てみてはいかがでしょうか。